病気予防
大切なペットが毎日元気に過ごすためには、病気を早く見つけて治療することも大切ですが、それ以上に「病気にならないようにすること」が重要です。
病気を予防するためにできること
・定期的な予防ケア(フィラリア予防薬・ノミ・ダニ駆除薬・ワクチン接種)
・バランスの取れた食事と健康管理
・生活環境の見直し(清潔な寝床やストレスを減らす工夫)
さらに近年の気候変動の影響として
・蚊やノミ・ダニの活動時期が長くなり、年間を通じた予防が必要
・野生動物の増加(イノシシ・シカ・アライグマなど)が原因の感染症リスクが上昇
大切なペットの健康を守るためにどのような予防が必要かは、ペットの健康状態や生活環境によって異なります。
環境に合った適切な予防を一緒に考えていきましょう。
気になることがありましたら、ぜひアンファ動物病院へお気軽にご相談ください。

予防について
◆ 混合ワクチン
ワクチンとは、身体の免疫機能を利用して、主に伝染病などの病気を予防するお薬です。いわば病気の予行演習を行って、病気に対する抵抗力をつける方法です。
混合ワクチンは、何種類かの病気に対するワクチンが混ぜ合わさったもので、定期的に投与することにより、多種の病気を予防することを目指しています。今日では病気に対する抗体価を調べる血液検査キットが開発されたことにより、必要なワクチンを選択して接種することも可能になりました。
実際に接種するワクチンの内容や間隔は、その時の健康状態や飼育環境、コスト面も考慮の上、選択していただくことになります。
◆ 狂犬病ワクチン
狂犬病は、今も世界中の150以上の国で発生があり、年間5万人以上もの死者を出している恐ろしい病気です。
人間も含む哺乳類全体が感染し、発病するとほぼ100%死亡します。日本では、狂犬病予防法により全ての飼い犬に狂犬病ワクチン接種が義務付けられています。
生後91日以上の犬は、飼い始めてから30日以内に1回、その後は毎年1回、注射を受けることが定められています。
(混合ワクチンには狂犬病ワクチンは含まれていません)
◆ フィラリア予防
イヌのフィラリア症は、蚊に刺されることによってうつる病気です。イヌ以外の動物、タヌキやフェレット、ネコにも寄生します。
最初は蚊の中に生息できるぐらいに小さかった仔虫が、宿主の身体の中を移動しながら成育し、最終的には長さ22〜35cmにまで成育した糸状の成虫が、心臓から肺にかけての血管内に寄生します。
フィラリア症の予防は、平均気温からHDU(Heartworm Development Heat Unit)という単位を算出することにより毎年・地域毎に設定される、感染可能期間(関西地方は、概ね5月初め~11月中旬まで)に基づいて実施します。
具体的には、毎月一回の飲み薬を感染可能期間をカバーするように与える、あるいは年一回の注射により12ヶ月間予防します。
フィラリア予防に用いられる薬は非常に安全性の高いものですが、既にフィラリア症にかかっている場合には副作用発現の危険が大きくなるため、投薬前には血液検査により感染の有無を確認します。
◆ ノミ・ダニ予防
ノミやダニといった外部寄生虫は、痒み(アレルギーを含む)や痛みなどの症状以外にも、様々な病気を媒介します。
そうした病気には、条虫症(いわゆるサナダムシの仲間です)やバベシア症、エールリキア症、ライム病などがあり、猫伝染性貧血症もノミ・ダニにより媒介されている可能性が高いと言われています。
近年、新たな人獣共通感染症として話題となった、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)もダニが媒介する病気です。
飲み薬・滴下剤などを用いて、ノミやダニの完全な駆除を目指しましょう。